自転車世界におけるオーパーツ 機械式コンポーネント「シマノ R9100 グループセット」
2024年 02月 29日
カスタマーY氏、もといコミュニティ会員のポッチ氏よりオーバーホール作業のご依頼をいただきました。
ポッチ氏の自転車は、泣く子も黙るハンドメイドフレームの最高峰「SPEEDVAGEN」でございます。
そこにリスペクトがある。

作業後にわたしの座席から見えるこの御姿も後光が差すかのように輝いておりました。
そんな御姿をパシャリ。
まさに大事にされています。
事実、なのでオーバーホール作業にお持ちいただいてます。
ありがとうございます。

あらためて思い返してみれば。
このフレーム、2016年製です。
そうです、東京で開催された伝説の「SV FIT TOUR」にてオーダーされたフレームです。
そうなると、もう8年ということなんです。
素晴らしいですね。
このモノ持ちの良さというか、流行に流されないというか、廃れないというか。
ハンドメイドフレームとは、そういう価値を買うものだということを体現されているかのような自転車です。
そこにリスペクトがある。
そういえば。
さいきんSVの姿をSNS等で全然見かけないなと思いました。
SVといえば、いわゆるインスタ映えのフレームとしてSNS上に君臨しまくってた印象です。
なにかがオカシイ。

ふとサイト上に訪ねてみると、昨年10月の投稿に「ちょっと小さくしていきますわ〜」みたいなことが投稿されておりました。
フレームビルダーとは企業ではなく個人商店みたいなものです。
当店でお取り扱いをしてました「Independent Fabrication」も、状況は異なりますが似たような雰囲気。
ブランドはいつまでも続くわけでもなく、生き物のようなもので。
「いつかは欲しいな、、買いたいな、、、」みたいなことをよく言われていましたが。
こうして現実的に手に入らなくなることもあるわけです。
まぁ、買おうと思っても空前の円安で、お値段がとんでもないことになってしまうわけですが。
おっと。
ハナシが逸れてしまいました。
コンポーネントがメインのおハナシのつもりでした。
今回、オーバーホール整備をさせていただくなかで、あらためて「シマノ R9100コンポーネント」の素晴らしさに感嘆したわけです。
ワイヤー、ケーブル類の剛性から。
ブレーキキャリパーのしなやかな動き。
それでいて完璧な制動力。
カチカチッと決まる変速。
リアディレイラーはロングケージで、ワイドレシオにも対応しシャドー形状で外側に出っ張らないデザイン。
フロントディレイラーは独自にシフトアジャスターが内蔵してあり。
そのネジ類は他社とは逆の方式でネジがナメにくく。
まぁ、クランクはちょっとケチがついてしまった部分もありますが。。。
それを踏まえても最高の完成度だと思います。
熟成に熟成を重ねたかのような製品の仕上がり。
開発チームの、こんなところまで考えてたの!?みたいな思いが詰まった製品であることが、作業させていただくほどに伝わってくるような。
そんなコンポーネントです。


R9100の後継モデルである、R9200には機械式の設定がありません。
なのでここで歴史が途切れてしまったわけです。
だからこそ、このR9100が輝きを増したと言っても良いのかもしれません。
なのでここで歴史が途切れてしまったわけです。
だからこそ、このR9100が輝きを増したと言っても良いのかもしれません。
歴史に残るコンポーネントとして。
時代を超越したコンポーネントとして。

R9100 デュラエースは、自転車世界に出現した「オーパーツ」です。
※オーパーツとは
それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指す。
そこにリスペクトがあります。

そもそも、
ポッチ氏はこのSV乗り出しの際は、SRAM RED 11S で組まれていました。
それを9100最終年にコンポーネントをまるごと組み替えをしていただいたわけです。
このコンポーネントは、今でもSRAMにて現行品のコンポーネントです。
2016年当時からまったくの更新や進化はないわけですが、eTAPの影に隠れるかのようにラインナップには存在しています。
この点では、販売がなくなってしまったシマノよりもある意味「良心的」と言えるのかもしれません。

SRAMも性能は優れています。
小気味の良いシフトフィーリングから、バチバチ変速が決まる感じ。
効かない効かないと評判のブレーキですが、盆栽屋個人としては問題を感じませんでしたし、むしろ好きなくらいでした。
eTAPの電動コンポーネントよりも軽量ですし、同じ機械式であればレバーがグニャグニャ動いてしまうシマノよりも、わたしはSRAMを選びます。
たとえ、シマノの9100の完成度がオーパーツ級の群を抜いたモノであっても。
この点がコンポーネントは思想だと言われるところなのか。
面白いと思います。
しかし、エアロロードの台頭と標準化で機械式コンポーネントは完全に2番手扱いどころか、サブ的な役割になってしまいました。
フル内装仕様になると、ブレーキも、シフトも圧倒的に具合が悪くなってしまうからだと思います。
エアロロードのフレームとの相性が良くないわけです。
ということもあるのでしょうか、
SRAMにおいては、もう10年レヴェルで更新されていませんし。
シマノにおいても、現行で選ぶことができる最高グレードのコンポーネントは105。
機械式のコンポーネントは今回のポッチ氏のSVのようにケーブル外出しのフレームこそ似合いますし、その性能を発揮します。
これから新しい機械式のコンポーネントが開発されるような機運は限りなく薄そうではありますが。
それだけにこのR9100 デュラエースの完璧過ぎる完成度が輝くわけです。
当店でも何名かのカスタマーのみなさまに、最後のR9100のタイミングで駆け込みオーダーと組み替え作業のご依頼をいただいたわけですが。
ほんとうにご購入していただいて良かったと思います。
そこにリスペクトがあります。
3月3日(日曜日)は、
シクロクロスレース参戦のため
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| 2024-02-29 12:00
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