バイクエイジング ピンクギドラ号12S化の道

確か。
昨年の2月か3月くらいに乗り始めたピンクギドラ号。


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カラーリングは、かつてシクロクロスのレースバイクとして乗っていたクロスボンサイ号を現代風(マット塗装)にアレンジ。
ホットなピンクカラーはオフロードに映える色でしたが、ロードバイクとして乗った時も都市でも印象的な色になりました。


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盆栽屋はじめてのディスクブレーキのロードバイクということで、普段乗りメインのどこでも走れるワークホース的な自転車として活躍してくれています。
というか、完成してからというものロードバイクが必要なシーンではほぼこの自転車でどこでも走っていました。

理由は乗りやすかったから、、、。
そこにリスペクトがあります。


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高松トランクショーでも。
浜松トランクショーでもこの自転車で走らせてもらいました。
ディスクブレーキですけど、輪行ラクチンです。
要は慣れ。


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しかし、この自転車は組み付け当初からひとつの欠点を抱えていたママでした。
それは何か?
スプロケットです。

11段なんです。


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つまり、11Sなんです。

この自転車を組んだときには既に市場に存在していたeTAP AXS 12Sが存在していたというのに。
この自転車は「敢えて!」11Sで組まざるを得ませんでした。

現在では、ファームウェアの設定をすれば、12Sのレバーで11Sの操作が可能になりますが、当時はそんなサービスがありませんでした。
なので、当時すでに入手困難になっていた11Sのレバーの調達にかなり苦労してしまいましたがなんとか組めてとりあえず走り出すことができたピンクギドラ号でした。


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キングギドラ号のように。
カンパニョーロのスプロケット(12S)を使う作戦は、ピンクギドラ号には使うことができません。

なぜなら、クリスキングのディスクハブにはカンパニョーロのフリーボディの設定が無いからなんです。
でも、SRAMのスプロケットも使う気はありませんでした。
これはキングギドラ号と同じ理由で10Tトップギアという踏まない(踏めない)ギアを組み込む意味がわからないから。

なので、仕方なく11Sで乗っていたわけですが。
皆様もご承知の通り、このたび某S社も12S化することになりまして、わたしもめでたく12S化に向けて組み替えの準備(パーツを揃える)を始めました。
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某S社の12Sスプロケット発表の報せを聞いて先ず嬉しかったのは。
フリーボディが某Sボディのママだということ。

某S社のロードバイク用12Sコンポーネントは、既にマウンテンバイクのカテゴリーに採用されているマイクロスプラインになってしまうのではないか?というウワサを完全に払拭するものになりました。


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けれども、良いとこばかりではありません。
某S社の12Sスプロケットのラインナップは、11-30と、11-34のみ!

12Sなのでスプロケットのヴァリエーションが少なくなるのは当然としても、ちょっと物足りないか?
いちおう、11-28の予定もあるにはあるみたいなんですが、来年?とかいう納期になっておりこれは現実的ではないでしょう。

ピンクギドラ号は、フロントのチェーンリングが52/36Tというのもあり、ローギア30T超の軽いギア比は必要ないし、トップギアは12Tからのは無いのかなぁという感想だったわけですが、これは仕方ないですね。
今回は11-30をチョイス。

待ちに待っていたスプロケットは年始に入荷しまして。
すぐに組み替えとなりました。

SRAMの12Sはこのパーツ枯渇状況のなか、早くから備蓄していました。
こういうときだからこそ「ご利用は計画的に」です。


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ついでに。
酷使により痛んだデカールも交換。
綺麗にリフレッシュさせました。


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よく見るとスポークに傷があったので、そのスポークも交換です。
傷のあるスポークは、すぐに折れなくとも乗っている最中に折れたりします。

気づいたら交換するのがオススメです。


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さっそく、乗っています。

やっぱり12Sの動きのほうがいいですね〜。
いろいろスムースです。
12SのeTAPに乗ってしまうと、11SのeTAPは、いろいろとガチャガチャしているといいますか。
落ち着きがないパーツだなぁという印象になってしまいます。

12Sを使ってしまうと、11Sは試作品だったのか?という疑惑が湧いてくるというか、それはほぼ確信になってしまうでしょう。

スプロケットのギア比問題で、12Sにする意味あるんかな?と思っていましたが。
変速機の動きの良さだけで12Sにしてヨカッタと確信したのでした。

さらに、スプロケットギア比問題もインナーローはともかく、アウターローのギアが軽くなったことによりアウターで粘れる行程が増えて結果的に12S化にメリットがあったといえる結果になりました。
実際、アウターローのローギアが大きいと、アウターローのチェーン襷掛け状態で失ってしまうフリクションロスよりも、駆動効率のほうが上回るというテータもあるそうです。
実際、それはペダリングしてみれば脚で実感できることだと思います。

11Sのままでお使いの方は12S化をご検討されるのをオススメします。


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■フレーム

Independent Fabrication Steel Crown Jewel Disc

■スペック

レバー:SRAM Red eTAP AXS
Fメカ : SRAM Red eTAP AXS
Rメカ:SRAM Red eTAP AXS
クランク:ROTOR ALDHU
ブレーキ : SRAM Red
チェーン:SRAM Red AXS
BB : Chris King Thread-Fit 30 Ceramic
スプロケット:某S社 CS-9200-12S 11-30

ヘッドパーツ:Chris King Inset8
ハンドル:3T Rotundo Team Stealth
バーテープ:Fizik TEMPO 3mm
シートピラー:ENVE
サドル:Fizik Aliante Classic
ペダル : Speedplay ZERO 盆栽屋スペヒャル

ホイール:BONSAIxENVE
リム : ENVE SMART SYSTEM SES 3.4 Disc
ハブ : CHRISKING R45 Disc Ceramic
スポーク : SAPIM CX-RAY
タイヤ:ENVE 27C

こちらのカスタムに関して詳しく知りたい方は、真・ヨシダの盆栽に既述の「12S化の道」をご覧ください。



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さて、
ここでわたしは気が付きました。
最近はこういうコンポミックスという改造手法を採用するヒトって減ってきてないか?
というか、ほぼ居ないんじゃないか?ということに。

それはシマノ、スラム、カンパニョーロというコンポーネントメーカーがそれぞれ個性を打ち出しているという証明であると言えますし。
メーカーの指定通り、マニュアル通りに組めば何も問題も不満も起きないし、最高の性能を発揮できる。
それは良いことなのです。

しかし、マニュアル接客のように物事が平坦化してしまうのでは無いかと危惧してしまう気持ちもあるわけです。
たまたまわたしの場合はこのマニュアル接客組み付けが不可能なパターンのリクエストでした。

・フロントチェーンリングは旧来のギア比 53/39、53/36 で組みたい
・フロントチェーンリングは楕円ギアを使いたい

このリクエストのおかげで、マニュアル通りのパーツを使えなくなってしまいました。
SRAMのAXS 12Sをそのまま組み込むことができなかったのです。

楕円ギアはともかく。
旧来サイズのフロントチェーンリングを求める仕様は、プロ選手ではしばしば見ることができます。


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試作品と酷評した11S時代のeTAPですが。
この世代の時は、レバー、FD、RDさえ変えてしまえば即席でeTAPの完成というメリットがありました。
だから多くの方に受け入れられてヒットしたのだと思います。

しかし、12Sに進化したことで。
フリーボディが専用になり。
スプロケット、フロントチェーンリングの組み合わせが特殊になり。

いろいろと専用設定になりました。
これはメーカーの都合もあるので仕方ないのでしょう。


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今回、某S社のおかげで、奇しくも11S時代と同じようなある意味での手軽さ?が復活したのではないかと思います。
もちろん、マニュアル度外視のカスタムです。
保証が〜とか言うヒトは大人しくマニュアル接客組みで落ち着きましょう。
コンポミックスとはそういう道です。
好きなヒト、合うヒト、必要とするヒトだけがやると良いと思います。


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これだけ多くのヒトが自転車というアクティブスポーツを楽しまれている中。
メーカーが設定したマニュアルから外れてしまうヒトも少なくないと思います。
そういう方を救うひとつの道としてコンポミックスというカスタムがあると思います。
これは別に奇をてらったことがしたかったわけではなく。
本当に必要だから実現できることなのです。

カスタマーの皆さま全員にオススメできるものではありませんが。
ヒトによってはあると便利なカスタムです。
必要な方は店頭にてご相談ください。
電話やメールだけのご相談はにはお答えできない場合もございますので予めご了承ください。

そこにリスペクトがある。














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by bonsai-astn | 2022-05-02 12:00 | 盆栽屋仕事録
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