バイクエイジング

シャーク号はレース用。
Independent Fabricationのチタンの軽量モデルであるTi Factory Light Weight。
旗艦であるステンレス製のSSRに比べて軽量なんです。
なーんて、それは前提条件だったわけですが。
組んでしばらくして事実に気がつきます。
ある日、ホィールを外した両方の自転車の重量を比較してみるとなんと同じ重量。
これは微妙。
レース用はやっぱり軽量じゃなきゃ。
ファクトリーライトウェイトだし。
というわけでシャーク号の改装作業にちびちびと入るのです。
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エイジングを重ねるごとに質実剛健さを増していった旗艦〝SSR〟と違って。
戦闘艦〝TiFLW〟は軽量化の一途を辿ります。
ロードレーサーという同一ジャンルで同一ブランドを2本所有するなか。
性格を分けて所有することでエイジングの方向性から乗り方まで違って楽しむことができるということなのです。
そこにリスペクトがある。
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シャーク号はフレームだけの重量だとSSRよりも軽いけど。
付いているパーツの影響でSSRと同じ重量に。
それは、油圧ブレーキシステム、パワーメーター、エアロチェーンリング、BERNERのリアメカという具合。
けれどもこれらのパーツは換えるとなると、なんとなく元も子もなくなっちゃうよというわけで他の部分から軽量化できる部分を探りました。
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まずはハンドルをアルミからカーボンに。
DedaのNewton Shallowから、3TのRotundo LTDへ。
これで一気に69gの軽量化。
このあと半年くらい経過して、ハンドルの幅も見直したのでさらに5g軽量化を果たすのです。
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ここで軽量化を目標に3Tの最軽量グレードに手を出すわけですが。
このハンドルはかなり硬い。
怖くなるくらいしなるハンドルもかつてはあったカーボンハンドルですがこれはフツーに安心して使える超軽量パーツです。
さて、次はどこを換えるか。
もう純正品では間に合わなくなってしまったことに気付きました。
気付いたときにはもう遅い。
軽量化の悪魔に取り憑かれてしまっていたのです。
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お次はペダルを非純正のドイツ製のパーツに換えて軽量化。
シャフトとプレートをチタン製にしたのです。
これで62gの軽量化。
ドロップハンドルの素材を換えたときと同じくらいの軽量化数値をたたき出したのです。
おーさすがドイツ!
思えばドイツ製品なんて組み込むのは初めてか!?
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けれども、精度が微妙なのか。
プレートも収まりが悪いし、シャフトに至っては回転が悪い。
これが非純正の精度なのか、まさに悪魔改造。
そういうわけで回転が良い組み合わせでペダルヘッドも新品のホワイトに換えて軽量化成功となったのです。
数字的にも超軽量化ってことでおおむねマンゾクです。
軽いからしなるとかそんなヤワな面も使っている限りでは感じられませんから。
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ハンドルとペダルで130g程度の軽量化。
もう軽量化できるところないな、と思っていたのですがありました。
タイミング良く新しいクランクが発売されたのです。
それはROTORのInPowerです。
以前から発売されていたROTOR POWERよりも重いという説明を受けていたのですが、実際に計量すると5g軽いわけで。
これは交換するしかないなとなるわけです。
そして外したROTOR POWERは旗艦へ。
これで2台態勢で出力がわかるようになりました。
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その後、もう軽量化する部分がないなぁと思いながらシフトワイヤー交換していたら気付きました。
フレームにネジ込んであるシフトのアウター受けです。
オーソドックスな汎用品が付いていたのですが、この部分を量ってみると8g。
TIMEのフレームに付いているアルミ製のモノはなんと3g。
これだけで5gの軽量化。
換えない盆栽屋は居ないのです。
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そして、よく見るとヘッド部分は余ったスペーサーが。
スペーサーがあるということはカーボンコラムも余っているということでギリギリ残してカット。
カーボンコラムにはほとんど重量が無いのですがスペーサーはそれなりにあります。
そしてヘッドのボルトをステンレスから必要な長さにカットしたアルミボルトに交換。
マルチアンカー部分も軽量化してこの部分で一気に30g軽量化。
これは古来からまことしやかに伝わる軽量化術。
まさか自分がやるとは思ってもいませんでした。
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そして、この頃からBB付近からのイオンの発生がやまなくなります。
あらゆるイオンの発生を解決してきたつもりなのに。
自分の自転車でこうもてこずってしまうとは。
カスタマーの自転車じゃなくて良かったなとは不幸中の幸いですが、直しても直してもしばらくするとイオンが発生するので換えられる部分を換えてみました。
もちろん、フレームとクランクは交換するわけにはいかないので換えられるのはBBか。
他のBBにしたら重量化しかないよなぁなんて諦めてたんですけど。
ここはイオン除去のために仕方ありません。
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そしたらアラ不思議。
アダプターを介しても軽量化に。
そこでニヤリとしてしまう盆栽屋。
完全に軽量化の悪魔に取り憑かれてしまっている自分に気付くのです。
とはいえ、普通に組んで性能が出ていればこんなパーツ交換も必要ないわけで。
軽量化に繋がったのはタナボタ的な結果ということでしょう。
これで2g。
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そうこうしているうちに新たなポイントを発見しました。
このフレームは金属フレームには珍しいISP。
そのシートヤグラはチタン製でオリジナル、さらにはバンドまでCNC削り出しの凝ったモノ。
そのヤグラをカーボンシートチューブに固定するのは2本のステンレスボルト。
あ、この部分は交換できるじゃないですか。
そうです、Tiボルトに。
同じ長さのモノを探してさっそく導入です。
これで4gの軽量化。
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ふぅ。
落ち着きました。
軽量化とはある種の衝動なのかもしれません。
そう。
軽量化とは、ともすれば現代サイクリストが忘れてしまった遊び。
かつてはパーツに穴を開けて加工したり、ワイヤーを短く組んだりして、それが軽量化なんて言われていた時代があったと思います。
それが今では普通に軽量パーツを組まなくてもレースに出るためには軽く仕上がり過ぎて重りを付ける始末。
単なる軽量という視点から進化して、剛性や回転性能、さらには快適性やストレスフリー具合も問われるようになった現代のパーツたち。
わたしもカーボンフレームに乗っているときは自分の自転車の重量のことを気にしたことがありませんでした。
現実問題、盆栽自転車店に来てくださっている顧客衆にこのような軽量化をさせていただくことはありませんでしたから。
もちろん、リクエストがあればお受けしますが…。
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盆栽自転車店としては、まずは普通に丁寧に組まれた状態でお乗りいただいてなにか不都合があればそれを埋めていく。
これがカスタムの楽しみでアリ醍醐味ではないかと思います。
塗装や見た目のカスタムもその延長にあると思います。
まずはちゃんと組まれて、しっかりと動作することが大事ですし基本です。
パーツの性能が引き出される組み付けをされた自転車は快適に乗ることができるのはもちろんのこと、メンテナンスの頻度も減り、快適に乗れる時間も長続きすると思います。
そして、自転車はニンゲンが操作をする道具ですのでサイクリストと自転車がしっかりとシンクロしなければいけません。
現在ではパーツ選びにヘンなモノを選ばなければ普通に丁寧な組み付けをするだけでちゃんとした性能が引き出るパーツがほとんどだと認識しています。
パーツを手で加工して限界性能を引き出してみるのも工夫のひとつだとは思いますが、あくまで応用ということで奥の手にしておいたほうが良いでしょう。
わたしが自分の自転車に施した軽量化をはじめとしたカスタムはサイクリストと自転車の距離を縮めていく行為のひとつ。
フィッティングやサイジング、使いやすくするためのレバータッチを換えたりすることもそんなカスタムのひとつだと思います。
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盆栽自転車店はカスタムバイクショップですのでいつでもカスタムお受けします。
魔性の深刻度や、やらなくてもいい場合、できない場合もいろいろあると思います。
ご要望があればいつでも対応いたしますのでよろしくどうぞ。
ご相談は店頭にて直接お願いいたします。
シャーク号の現在の重量は7.48kg

こうしたエイジング(愛着)をかけたくなるのが、Independent Fabricationのフレームの良いところ。
盆栽自転車店でオーダー可能なフルカスタムフレームです。
気になるラインナップや価格はコチラをご覧ください。 ☞ http://yatsugatakebicyclestudio.cc/pages/if






5月6日(金曜日)、7日(土曜日)はチャリティライド参加のため自転車営業はお休みとさせていただきます
カフェは通常通り営業致しますのでよろしくお願いいたします


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盆栽自転車店です

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by bonsai-astn | 2016-05-03 12:00 | 盆栽屋仕事録
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